その津田を疑ぐっている彼女にも、まだ信力は残っていた。
どんな事があろうとも、夫だけは共謀者の仲間入はよもしまいと念じた彼女の足は、堀の門を出るや否や、ひとりでにすぐ病院の方へ向いたのである。
その心理作用が今喰いとめられなければならなくなった時、通りで会った電車の影をお延は腹の底から呪った。
その津田を疑ぐっている彼女にも、まだ信力は残っていた。
どんな事があろうとも、夫だけは共謀者の仲間入はよもしまいと念じた彼女の足は、堀の門を出るや否や、ひとりでにすぐ病院の方へ向いたのである。
その心理作用が今喰いとめられなければならなくなった時、通りで会った電車の影をお延は腹の底から呪った。