頭には唐物屋を探しても見当りそうもない変な鍔なしの帽子を被っていた。
煙草入だの、唐桟の小片だの、古代更紗だの、そんなものを器用にきちんと並べ立てて見世を張る袋物屋へでも行って、わざわざ注文しなければ、とうてい頭へ載せる事のできそうもないその帽子の主人は、彼の言葉遣いで東京生れの証拠を充分に挙げていた。
津田は服装に似合わない思いのほか濶達なこの爺さんの元気に驚ろくと同時に、どっちかというと、ベランメーに接近した彼の口の利き方にも意外を呼んだ。
頭には唐物屋を探しても見当りそうもない変な鍔なしの帽子を被っていた。
煙草入だの、唐桟の小片だの、古代更紗だの、そんなものを器用にきちんと並べ立てて見世を張る袋物屋へでも行って、わざわざ注文しなければ、とうてい頭へ載せる事のできそうもないその帽子の主人は、彼の言葉遣いで東京生れの証拠を充分に挙げていた。
津田は服装に似合わない思いのほか濶達なこの爺さんの元気に驚ろくと同時に、どっちかというと、ベランメーに接近した彼の口の利き方にも意外を呼んだ。