しかしそれから後の彼はもう自分の主人公ではなかった。
どこから来たとも知れない若い男が突然現われて、彼の荷物を受け取った。
一分の猶予なく彼をすぐ前にある茶店の中へ引き込んで、彼の行こうとする宿屋の名を訊いたり、馬車に乗るか俥にするかを確かめたりした上に、彼の予期していないような愛嬌さえ、自由自在に忙がしい短時間の間に操縦して退けた。
しかしそれから後の彼はもう自分の主人公ではなかった。
どこから来たとも知れない若い男が突然現われて、彼の荷物を受け取った。
一分の猶予なく彼をすぐ前にある茶店の中へ引き込んで、彼の行こうとする宿屋の名を訊いたり、馬車に乗るか俥にするかを確かめたりした上に、彼の予期していないような愛嬌さえ、自由自在に忙がしい短時間の間に操縦して退けた。