百七十六
するとその二階にある一室の障子を開けて、開けた後をまた閉て切る音が聴えた。
階子段の構えから見ても、上にある室の数は一つや二つではないらしく思われるほど広い建物だのに、今津田の耳に入った音は、手に取るように判切しているので、彼はすぐその確的さの度合から押して、室の距離を定める事ができた。
百七十六
するとその二階にある一室の障子を開けて、開けた後をまた閉て切る音が聴えた。
階子段の構えから見ても、上にある室の数は一つや二つではないらしく思われるほど広い建物だのに、今津田の耳に入った音は、手に取るように判切しているので、彼はすぐその確的さの度合から押して、室の距離を定める事ができた。