夏目漱石 『明暗』 室は二間続きになっていた。 津田の足を踏み込んだのは、床のない控えの間の方であった。 黒柿の縁と台の付いた長方形の鏡の前に横竪縞の厚い座蒲団を据えて、その傍に桐で拵らえた小型の長火鉢が、普通の家庭に見る茶の間の体裁を、小規模ながら髣髴せしめた。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア