門司の叔父というのは油断のならない男として彼らの間に知られていた。
健三がまだ地方にいる頃、彼は突然汽車で遣って来て、急に入用が出来たから、是非とも少し都合してくれまいかと頼むので、健三は地方の銀行に預けて置いた貯金を些少ながら用立てたら、立派に印紙を貼った証文を後から郵便で送って来た。
その中に「但し利子の儀は」という文句まで書き添えてあったので、健三はむしろ堅過ぎる人だと思ったが、貸した金はそれぎり戻って来なかった。
門司の叔父というのは油断のならない男として彼らの間に知られていた。
健三がまだ地方にいる頃、彼は突然汽車で遣って来て、急に入用が出来たから、是非とも少し都合してくれまいかと頼むので、健三は地方の銀行に預けて置いた貯金を些少ながら用立てたら、立派に印紙を貼った証文を後から郵便で送って来た。
その中に「但し利子の儀は」という文句まで書き添えてあったので、健三はむしろ堅過ぎる人だと思ったが、貸した金はそれぎり戻って来なかった。