彼が滅多に行った事のない兄の家へ、細君がたまに訪ねて行くのは、つまり夫の代りに交際の義理を立てているようなものなので、いかな健三もこれには苦情をいう余地がなかった。
「御兄さんは貴夫のために心配していらっしゃるんですよ。
ああいう人と交際いだして、またどんな面倒が起らないとも限らないからって」
彼が滅多に行った事のない兄の家へ、細君がたまに訪ねて行くのは、つまり夫の代りに交際の義理を立てているようなものなので、いかな健三もこれには苦情をいう余地がなかった。
「御兄さんは貴夫のために心配していらっしゃるんですよ。
ああいう人と交際いだして、またどんな面倒が起らないとも限らないからって」