比田は平気な顔をして本を読んでいた。
「いえなにまた例の持病ですから」といって、健三の慰問にはまるで取り合わなかった。
同じ事を年に何度となく繰り返して行くうちに、自然と末枯れて来る気の毒な女房の姿は、この男にとって毫も感傷の種にならないように見えた。
比田は平気な顔をして本を読んでいた。
「いえなにまた例の持病ですから」といって、健三の慰問にはまるで取り合わなかった。
同じ事を年に何度となく繰り返して行くうちに、自然と末枯れて来る気の毒な女房の姿は、この男にとって毫も感傷の種にならないように見えた。