書類は厚さにしてほぼ二寸もあったが、風の通らない湿気た所に長い間放り込んであったせいか、虫に食われた一筋の痕が偶然健三の眼を懐古的にした。
彼はその不規則な筋を指の先でざらざら撫でて見た。
けれども今更鄭寧に絡げたかんじん撚の結び目を解いて、一々中を検ためる気も起らなかった。
書類は厚さにしてほぼ二寸もあったが、風の通らない湿気た所に長い間放り込んであったせいか、虫に食われた一筋の痕が偶然健三の眼を懐古的にした。
彼はその不規則な筋を指の先でざらざら撫でて見た。
けれども今更鄭寧に絡げたかんじん撚の結び目を解いて、一々中を検ためる気も起らなかった。