丁度その坂と坂の間の、谷になった窪地の左側に、また一軒の萱葺があった。
家は表から引込んでいる上に、少し右側の方へ片寄っていたが、往来に面した一部分には掛茶屋のような雑な構が拵えられて、常には二、三脚の床几さえ体よく据えてあった。
葭簀の隙から覗くと、奥には石で囲んだ池が見えた。
丁度その坂と坂の間の、谷になった窪地の左側に、また一軒の萱葺があった。
家は表から引込んでいる上に、少し右側の方へ片寄っていたが、往来に面した一部分には掛茶屋のような雑な構が拵えられて、常には二、三脚の床几さえ体よく据えてあった。
葭簀の隙から覗くと、奥には石で囲んだ池が見えた。