それでも傍に見ている父はどうして遣る訳にも行かなかった。
彼は自分の位地を失った後、相場に手を出して、多くもない貯蓄を悉く亡くしてしまったのである。
首の回らないほど高い襟を掛けて外国から帰って来た健三は、この惨澹な境遇に置かれたわが妻子を黙って眺めなければならなかった。
それでも傍に見ている父はどうして遣る訳にも行かなかった。
彼は自分の位地を失った後、相場に手を出して、多くもない貯蓄を悉く亡くしてしまったのである。
首の回らないほど高い襟を掛けて外国から帰って来た健三は、この惨澹な境遇に置かれたわが妻子を黙って眺めなければならなかった。