其所の腰掛の後部は高い屏風のように切立っているので、普通の食堂の如く、広い室を一目に見渡す事は出来なかったが、自分と一列に並んでいるものの顔だけは自由に眺められた。
それは皆な何時湯に入ったか分らない顔であった。
こんな生活をしている健三が、この同宿の男の眼にはさも気の毒に映ったと見えて、彼は能く健三を午餐に誘い出した。
其所の腰掛の後部は高い屏風のように切立っているので、普通の食堂の如く、広い室を一目に見渡す事は出来なかったが、自分と一列に並んでいるものの顔だけは自由に眺められた。
それは皆な何時湯に入ったか分らない顔であった。
こんな生活をしている健三が、この同宿の男の眼にはさも気の毒に映ったと見えて、彼は能く健三を午餐に誘い出した。