夏目漱石 『道草』 毎朝夫を送り出してから髪に櫛を入れる細君の手には、長い髪の毛が何本となく残った。 彼女は梳くたびに櫛の歯に絡まるその抜毛を残り惜気に眺めた。 それが彼女には失なわれた血潮よりもかえって大切らしく見えた。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア