指物師が百円に負けて置くから買わないかといった立派な紫檀の書棚をじろじろ見ながら、彼はその二十分の一にも足らない代価を大事そうに懐中から出して匠人の手に渡した。
彼はまたぴかぴかする一匹の伊勢崎銘仙を買うのに十円余りを費やした。
友達から受取った原稿料がこう形を変えたあとに、手垢の付いた五円札がたった一枚残ったのである。
指物師が百円に負けて置くから買わないかといった立派な紫檀の書棚をじろじろ見ながら、彼はその二十分の一にも足らない代価を大事そうに懐中から出して匠人の手に渡した。
彼はまたぴかぴかする一匹の伊勢崎銘仙を買うのに十円余りを費やした。
友達から受取った原稿料がこう形を変えたあとに、手垢の付いた五円札がたった一枚残ったのである。