夏目漱石 『三山居士』 夜半の灯に透かして見た池辺君の顔は、常と何の変る事もなかった。 刈り込んだ髯に交る白髪が、忘るべからざる彼の特徴のごとくに余の眼を射た。 ただ血の漲ぎらない両頬の蒼褪めた色が、冷たそうな無常の感じを余の胸に刻んだだけである。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア