しまいに小六が気を換えて、
「時に伊藤さんもとんだ事になりましたね」と云い出した。
宗助は五六日前伊藤公暗殺の号外を見たとき、御米の働いている台所へ出て来て、「おい大変だ、伊藤さんが殺された」と云って、手に持った号外を御米のエプロンの上に乗せたなり書斎へ這入ったが、その語気からいうと、むしろ落ちついたものであった。
しまいに小六が気を換えて、
「時に伊藤さんもとんだ事になりましたね」と云い出した。
宗助は五六日前伊藤公暗殺の号外を見たとき、御米の働いている台所へ出て来て、「おい大変だ、伊藤さんが殺された」と云って、手に持った号外を御米のエプロンの上に乗せたなり書斎へ這入ったが、その語気からいうと、むしろ落ちついたものであった。