自分が中途で失敗ったから、せめて弟だけは物にしてやりたい気もあるので、この千円が尽きたあとは、またどうにか心配もできようしまたしてくれるだろうぐらいの不慥な希望を残して、また広島へ帰って行った。
それから半年ばかりして、叔父の自筆で、家はとうとう売れたから安心しろと云う手紙が来たが、いくらに売れたとも何とも書いてないので、折り返して聞き合せると、二週間ほど経っての返事に、優に例の立替を償うに足る金額だから心配しなくても好いとあった。
宗助はこの返事に対して少なからず不満を感じたには感じたが、同じ書信の中に、委細はいずれ御面会の節云々とあったので、すぐにも東京へ行きたいような気がして、実はこうこうだがと、相談半分細君に話して見ると、御米は気の毒そうな顔をして、