実は宗助にもこんな考が、多少頭に浮かんでいた。
ただ御米に遠慮がある上に、それほど気が進まなかったので、つい口へ出さなかったまでだから、細君からこう反対に相談を掛けられて見ると、固よりそれを拒むだけの勇気はなかった。
小六にその通りを通知して、御前さえそれで差支なければ、おれがもう一遍佐伯へ行って掛合って見るがと、手紙で問い合せると、小六は郵便の着いた晩、すぐ雨の降る中を、傘に音を立ててやって来て、もう学資ができでもしたように嬉しがった。
実は宗助にもこんな考が、多少頭に浮かんでいた。
ただ御米に遠慮がある上に、それほど気が進まなかったので、つい口へ出さなかったまでだから、細君からこう反対に相談を掛けられて見ると、固よりそれを拒むだけの勇気はなかった。
小六にその通りを通知して、御前さえそれで差支なければ、おれがもう一遍佐伯へ行って掛合って見るがと、手紙で問い合せると、小六は郵便の着いた晩、すぐ雨の降る中を、傘に音を立ててやって来て、もう学資ができでもしたように嬉しがった。