「もう御年のせいよ」と云って白い襟を後へ廻って襯衣へ着けた。
宗助はその日の午後とうとう思い切って、歯医者へ寄ったのである。
応接間へ通ると、大きな洋卓の周囲に天鵞絨で張った腰掛が并んでいて、待ち合している三四人が、うずくまるように腮を襟に埋めていた。
「もう御年のせいよ」と云って白い襟を後へ廻って襯衣へ着けた。
宗助はその日の午後とうとう思い切って、歯医者へ寄ったのである。
応接間へ通ると、大きな洋卓の周囲に天鵞絨で張った腰掛が并んでいて、待ち合している三四人が、うずくまるように腮を襟に埋めていた。