刑事の判定によると、賊は宵から邸内に忍び込んで、何でも物置かなぞに隠れていたに違ない。
這入口はやはり勝手である。
燐寸を擦って蝋燭を点して、それを台所にあった小桶の中へ立てて、茶の間へ出たが、次の部屋には細君と子供が寝ているので、廊下伝いに主人の書斎へ来て、そこで仕事をしていると、この間生れた末の男の子が、乳を呑む時刻が来たものか、眼を覚まして泣き出したため、賊は書斎の戸を開けて庭へ逃げたらしい。
刑事の判定によると、賊は宵から邸内に忍び込んで、何でも物置かなぞに隠れていたに違ない。
這入口はやはり勝手である。
燐寸を擦って蝋燭を点して、それを台所にあった小桶の中へ立てて、茶の間へ出たが、次の部屋には細君と子供が寝ているので、廊下伝いに主人の書斎へ来て、そこで仕事をしていると、この間生れた末の男の子が、乳を呑む時刻が来たものか、眼を覚まして泣き出したため、賊は書斎の戸を開けて庭へ逃げたらしい。