細い竹を袖に通して、落ちないように、扇骨木の枝に寄せ掛けた手際が、いかにも女の子の所作らしく殊勝に思われた。
こう云う悪戯をする年頃の娘は固よりの事、子供と云う子供を育て上げた経験のない宗助は、この小さい赤い夜具の尋常に日に干してある有様をしばらく立って眺めていた。
そうして二十年も昔に父母が、死んだ妹のために飾った、赤い雛段と五人囃と、模様の美くしい干菓子と、それから甘いようで辛い白酒を思い出した。
細い竹を袖に通して、落ちないように、扇骨木の枝に寄せ掛けた手際が、いかにも女の子の所作らしく殊勝に思われた。
こう云う悪戯をする年頃の娘は固よりの事、子供と云う子供を育て上げた経験のない宗助は、この小さい赤い夜具の尋常に日に干してある有様をしばらく立って眺めていた。
そうして二十年も昔に父母が、死んだ妹のために飾った、赤い雛段と五人囃と、模様の美くしい干菓子と、それから甘いようで辛い白酒を思い出した。