そうしてそれが予想通りついこの間まで自分の座敷に立ててあった物であった。
この事実を発見した時、宗助の頭には、これと云って大した感動も起らなかった。
ただ自分が今坐っている畳の色や、天井の柾目や、床の置物や、襖の模様などの中に、この屏風を立てて見て、それに、召使が二人がかりで、蔵の中から大事そうに取り出して来たと云う所作を付け加えて考えると、自分が持っていた時よりは、たしかに十倍以上貴とい品のように眺められただけであった。
そうしてそれが予想通りついこの間まで自分の座敷に立ててあった物であった。
この事実を発見した時、宗助の頭には、これと云って大した感動も起らなかった。
ただ自分が今坐っている畳の色や、天井の柾目や、床の置物や、襖の模様などの中に、この屏風を立てて見て、それに、召使が二人がかりで、蔵の中から大事そうに取り出して来たと云う所作を付け加えて考えると、自分が持っていた時よりは、たしかに十倍以上貴とい品のように眺められただけであった。