この女には生れ故郷の水が、性に合わないのだろうと、疑ぐれば疑ぐられるくらい、御米は一時悩んだ事もあった。
近頃はそれがだんだん落ちついて来て、宗助の気を揉む機会も、年に幾度と勘定ができるくらい少なくなったから、宗助は役所の出入に、御米はまた夫の留守の立居に、等しく安心して時間を過す事ができたのである。
だからことしの秋が暮れて、薄い霜を渡る風が、つらく肌を吹く時分になって、また少し心持が悪くなり出しても、御米はそれほど苦にもならなかった。
この女には生れ故郷の水が、性に合わないのだろうと、疑ぐれば疑ぐられるくらい、御米は一時悩んだ事もあった。
近頃はそれがだんだん落ちついて来て、宗助の気を揉む機会も、年に幾度と勘定ができるくらい少なくなったから、宗助は役所の出入に、御米はまた夫の留守の立居に、等しく安心して時間を過す事ができたのである。
だからことしの秋が暮れて、薄い霜を渡る風が、つらく肌を吹く時分になって、また少し心持が悪くなり出しても、御米はそれほど苦にもならなかった。