寝耄けた昔に彽徊するほど、彼の気分は枯れていなかったのである。
学年の終りに宗助と安井とは再会を約して手を分った。
安井はひとまず郷里の福井へ帰って、それから横浜へ行くつもりだから、もしその時には手紙を出して通知をしよう、そうしてなるべくならいっしょの汽車で京都へ下ろう、もし時間が許すなら、興津あたりで泊って、清見寺や三保の松原や、久能山でも見ながら緩くり遊んで行こうと云った。
寝耄けた昔に彽徊するほど、彼の気分は枯れていなかったのである。
学年の終りに宗助と安井とは再会を約して手を分った。
安井はひとまず郷里の福井へ帰って、それから横浜へ行くつもりだから、もしその時には手紙を出して通知をしよう、そうしてなるべくならいっしょの汽車で京都へ下ろう、もし時間が許すなら、興津あたりで泊って、清見寺や三保の松原や、久能山でも見ながら緩くり遊んで行こうと云った。