「いや時々冗談を言うと人が真に受けるので大に滑稽的美感を挑撥するのは面白い。
せんだってある学生にニコラス・ニックルベーがギボンに忠告して彼の一世の大著述なる仏国革命史を仏語で書くのをやめにして英文で出版させたと言ったら、その学生がまた馬鹿に記憶の善い男で、日本文学会の演説会で真面目に僕の話した通りを繰り返したのは滑稽であった。
ところがその時の傍聴者は約百名ばかりであったが、皆熱心にそれを傾聴しておった。
「いや時々冗談を言うと人が真に受けるので大に滑稽的美感を挑撥するのは面白い。
せんだってある学生にニコラス・ニックルベーがギボンに忠告して彼の一世の大著述なる仏国革命史を仏語で書くのをやめにして英文で出版させたと言ったら、その学生がまた馬鹿に記憶の善い男で、日本文学会の演説会で真面目に僕の話した通りを繰り返したのは滑稽であった。
ところがその時の傍聴者は約百名ばかりであったが、皆熱心にそれを傾聴しておった。