この時もし御三でも勝手口を開けたなら、奥の小供の足音がこちらへ近付くのを聞き得たなら、吾輩は惜気もなく椀を見棄てたろう、しかも雑煮の事は来年まで念頭に浮ばなかったろう。
ところが誰も来ない、いくら蹰躇していても誰も来ない。
早く食わぬか食わぬかと催促されるような心持がする。
この時もし御三でも勝手口を開けたなら、奥の小供の足音がこちらへ近付くのを聞き得たなら、吾輩は惜気もなく椀を見棄てたろう、しかも雑煮の事は来年まで念頭に浮ばなかったろう。
ところが誰も来ない、いくら蹰躇していても誰も来ない。
早く食わぬか食わぬかと催促されるような心持がする。