鉄枴仙人が軍鶏の蹴合いを見るような顔をして平気で聞いている。
悪口の交換では到底鼻子の敵でないと自覚した主人は、しばらく沈黙を守るのやむを得ざるに至らしめられていたが、ようやく思い付いたか「あなたは寒月の方から御嬢さんに恋着したようにばかりおっしゃるが、私の聞いたんじゃ、少し違いますぜ、ねえ迷亭君」と迷亭の救いを求める。
「うん、あの時の話しじゃ御嬢さんの方が、始め病気になって――何だか譫語をいったように聞いたね」「なにそんな事はありません」と金田夫人は判然たる直線流の言葉使いをする。
鉄枴仙人が軍鶏の蹴合いを見るような顔をして平気で聞いている。
悪口の交換では到底鼻子の敵でないと自覚した主人は、しばらく沈黙を守るのやむを得ざるに至らしめられていたが、ようやく思い付いたか「あなたは寒月の方から御嬢さんに恋着したようにばかりおっしゃるが、私の聞いたんじゃ、少し違いますぜ、ねえ迷亭君」と迷亭の救いを求める。
「うん、あの時の話しじゃ御嬢さんの方が、始め病気になって――何だか譫語をいったように聞いたね」「なにそんな事はありません」と金田夫人は判然たる直線流の言葉使いをする。