生徒から先生番茶は英語で何と云いますと聞かれて、番茶は Savage tea であると真面目に答えたんで、教員間の物笑いとなっています、どうもあんな教員があるから、ほかのものの、迷惑になって困りますと云ったが、大方あいつの事だぜ」「あいつに極っていまさあ、そんな事を云いそうな面構えですよ、いやに髭なんか生やして」「怪しからん奴だ」髭を生やして怪しからなければ猫などは一疋だって怪しかりようがない。
「それにあの迷亭とか、へべれけとか云う奴は、まあ何てえ、頓狂な跳返りなんでしょう、伯父の牧山男爵だなんて、あんな顔に男爵の伯父なんざ、有るはずがないと思ったんですもの」「御前がどこの馬の骨だか分らんものの言う事を真に受けるのも悪い」「悪いって、あんまり人を馬鹿にし過ぎるじゃありませんか」と大変残念そうである。
不思議な事には寒月君の事は一言半句も出ない。