吾輩はこの間に早く主人夫婦を起してやりたいものだとようやく気が付いたが、さてどうしたら起きるやら、一向要領を得ん考のみが頭の中に水車の勢で廻転するのみで、何等の分別も出ない。
布団の裾を啣えて振って見たらと思って、二三度やって見たが少しも効用がない。
冷たい鼻を頬に擦り付けたらと思って、主人の顔の先へ持って行ったら、主人は眠ったまま、手をうんと延ばして、吾輩の鼻づらを否やと云うほど突き飛ばした。
吾輩はこの間に早く主人夫婦を起してやりたいものだとようやく気が付いたが、さてどうしたら起きるやら、一向要領を得ん考のみが頭の中に水車の勢で廻転するのみで、何等の分別も出ない。
布団の裾を啣えて振って見たらと思って、二三度やって見たが少しも効用がない。
冷たい鼻を頬に擦り付けたらと思って、主人の顔の先へ持って行ったら、主人は眠ったまま、手をうんと延ばして、吾輩の鼻づらを否やと云うほど突き飛ばした。