主人は猛烈なるこの一言を聞いて、うふと気味の悪い胃弱性の笑を洩らしたが、別段の返事もしないので、多々良君も是非食いたいとも云わなかったのは吾輩にとって望外の幸福である。
主人はやがて話頭を転じて、
「猫はどうでも好いが、着物をとられたので寒くていかん」と大に銷沈の体である。
主人は猛烈なるこの一言を聞いて、うふと気味の悪い胃弱性の笑を洩らしたが、別段の返事もしないので、多々良君も是非食いたいとも云わなかったのは吾輩にとって望外の幸福である。
主人はやがて話頭を転じて、
「猫はどうでも好いが、着物をとられたので寒くていかん」と大に銷沈の体である。