「九年立っても月給は上がらず。
いくら勉強しても人は褒めちゃくれず、郎君独寂寞ですたい」と中学時代で覚えた詩の句を細君のために朗吟すると、細君はちょっと分りかねたものだから返事をしない。
「教師は無論嫌だが、実業家はなお嫌いだ」と主人は何が好きだか心の裏で考えているらしい。
「九年立っても月給は上がらず。
いくら勉強しても人は褒めちゃくれず、郎君独寂寞ですたい」と中学時代で覚えた詩の句を細君のために朗吟すると、細君はちょっと分りかねたものだから返事をしない。
「教師は無論嫌だが、実業家はなお嫌いだ」と主人は何が好きだか心の裏で考えているらしい。