迷亭もここに至って少し蹰躇の体であったが、たちまち脱兎の勢を以て、口を箸の方へ持って行ったなと思う間もなく、つるつるちゅうと音がして咽喉笛が一二度上下へ無理に動いたら箸の先の蕎麦は消えてなくなっておった。
見ると迷亭君の両眼から涙のようなものが一二滴眼尻から頬へ流れ出した。
山葵が利いたものか、飲み込むのに骨が折れたものかこれはいまだに判然しない。
迷亭もここに至って少し蹰躇の体であったが、たちまち脱兎の勢を以て、口を箸の方へ持って行ったなと思う間もなく、つるつるちゅうと音がして咽喉笛が一二度上下へ無理に動いたら箸の先の蕎麦は消えてなくなっておった。
見ると迷亭君の両眼から涙のようなものが一二滴眼尻から頬へ流れ出した。
山葵が利いたものか、飲み込むのに骨が折れたものかこれはいまだに判然しない。