寒月君だけは約束を守って一言も云わずに、早くあとが聴きたいと云う風をする。
「何でもある年の冬の事だが、僕が越後の国は蒲原郡筍谷を通って、蛸壺峠へかかって、これからいよいよ会津領へ出ようとするところだ」「妙なところだな」と主人がまた邪魔をする。
「だまって聴いていらっしゃいよ。
寒月君だけは約束を守って一言も云わずに、早くあとが聴きたいと云う風をする。
「何でもある年の冬の事だが、僕が越後の国は蒲原郡筍谷を通って、蛸壺峠へかかって、これからいよいよ会津領へ出ようとするところだ」「妙なところだな」と主人がまた邪魔をする。
「だまって聴いていらっしゃいよ。