「女の軽いのがいけないとおっしゃるけれども、男の重いんだって好い事はないでしょう」「重いた、どんな事だ」「重いと云うな重い事ですわ、あなたのようなのです」「俺がなんで重い」「重いじゃありませんか」と妙な議論が始まる。
迷亭は面白そうに聞いていたが、やがて口を開いて「そう赤くなって互に弁難攻撃をするところが夫婦の真相と云うものかな。
どうも昔の夫婦なんてものはまるで無意味なものだったに違いない」とひやかすのだか賞めるのだか曖昧な事を言ったが、それでやめておいても好い事をまた例の調子で布衍して、下のごとく述べられた。