ところが亜典の女連が一同連署して嘆願に及んだから、時の御奉行もそう木で鼻を括ったような挨拶も出来ず、ついに当人は無罪放免、これからはたとい女たりとも産婆営業勝手たるべき事と云う御布令さえ出てめでたく落着を告げました」「よくいろいろな事を知っていらっしゃるのね、感心ねえ」「ええ大概の事は知っていますよ。
知らないのは自分の馬鹿な事くらいなものです。
しかしそれも薄々は知ってます」「ホホホホ面白い事ばかり……」と細君相形を崩して笑っていると、格子戸のベルが相変らず着けた時と同じような音を出して鳴る。