いかに馬鹿でも病気でも主人に変りはない。
一飯君恩を重んずと云う詩人もある事だから猫だって主人の身の上を思わない事はあるまい。
気の毒だと云う念が胸一杯になったため、ついそちらに気が取られて、流しの方の観察を怠たっていると、突然白い湯槽の方面に向って口々に罵る声が聞える。
いかに馬鹿でも病気でも主人に変りはない。
一飯君恩を重んずと云う詩人もある事だから猫だって主人の身の上を思わない事はあるまい。
気の毒だと云う念が胸一杯になったため、ついそちらに気が取られて、流しの方の観察を怠たっていると、突然白い湯槽の方面に向って口々に罵る声が聞える。