あまりふくれ方が残酷なので眼は両方共紛失している。
もっとも河豚のふくれるのは万遍なく真丸にふくれるのだが、お三とくると、元来の骨格が多角性であって、その骨格通りにふくれ上がるのだから、まるで水気になやんでいる六角時計のようなものだ。
御三が聞いたらさぞ怒るだろうから、御三はこのくらいにしてまた主人の方に帰るが、かくのごとくあらん限りの空気をもって頬っぺたをふくらませたる彼は前申す通り手のひらで頬ぺたを叩きながら「このくらい皮膚が緊張するとあばたも眼につかん」とまた独り語をいった。
あまりふくれ方が残酷なので眼は両方共紛失している。
もっとも河豚のふくれるのは万遍なく真丸にふくれるのだが、お三とくると、元来の骨格が多角性であって、その骨格通りにふくれ上がるのだから、まるで水気になやんでいる六角時計のようなものだ。
御三が聞いたらさぞ怒るだろうから、御三はこのくらいにしてまた主人の方に帰るが、かくのごとくあらん限りの空気をもって頬っぺたをふくらませたる彼は前申す通り手のひらで頬ぺたを叩きながら「このくらい皮膚が緊張するとあばたも眼につかん」とまた独り語をいった。