主人は両三年前までは座敷はどこへ坐っても構わんものと心得ていたのだが、その後ある人から床の間の講釈を聞いて、あれは上段の間の変化したもので、上使が坐わる所だと悟って以来決して床の間へは寄りつかない男である。
ことに見ず知らずの年長者が頑と構えているのだから上座どころではない。
挨拶さえ碌には出来ない。
主人は両三年前までは座敷はどこへ坐っても構わんものと心得ていたのだが、その後ある人から床の間の講釈を聞いて、あれは上段の間の変化したもので、上使が坐わる所だと悟って以来決して床の間へは寄りつかない男である。
ことに見ず知らずの年長者が頑と構えているのだから上座どころではない。
挨拶さえ碌には出来ない。