折から表格子をあららかに開けて、重い靴の音が二た足ほど沓脱に響いたと思ったら「ちょっと頼みます、ちょっと頼みます」と大きな声がする。
主人の尻の重いに反して迷亭はまたすこぶる気軽な男であるから、御三の取次に出るのも待たず、通れと云いながら隔ての中の間を二た足ばかりに飛び越えて玄関に躍り出した。
人のうちへ案内も乞わずにつかつか這入り込むところは迷惑のようだが、人のうちへ這入った以上は書生同様取次を務めるからはなはだ便利である。
折から表格子をあららかに開けて、重い靴の音が二た足ほど沓脱に響いたと思ったら「ちょっと頼みます、ちょっと頼みます」と大きな声がする。
主人の尻の重いに反して迷亭はまたすこぶる気軽な男であるから、御三の取次に出るのも待たず、通れと云いながら隔ての中の間を二た足ばかりに飛び越えて玄関に躍り出した。
人のうちへ案内も乞わずにつかつか這入り込むところは迷惑のようだが、人のうちへ這入った以上は書生同様取次を務めるからはなはだ便利である。