余が倫敦に居るとき、忘友子規の病を慰める為め、当時彼地の模様をかいて遙々と二三回長い消息をした。
無聊に苦んで居た子規は余の書翰を見て大に面白かったと見えて、多忙の所を気の毒だが、もう一度何か書いてくれまいかとの依頼をよこした。
此時子規は余程の重体で、手紙の文句も頗る悲酸であったから、情誼上何か認めてやりたいとは思ったものの、こちらも遊んで居る身分ではなし、そう面白い種をあさってあるく様な閑日月もなかったから、つい其儘にして居るうちに子規は死んで仕舞った。
余が倫敦に居るとき、忘友子規の病を慰める為め、当時彼地の模様をかいて遙々と二三回長い消息をした。
無聊に苦んで居た子規は余の書翰を見て大に面白かったと見えて、多忙の所を気の毒だが、もう一度何か書いてくれまいかとの依頼をよこした。
此時子規は余程の重体で、手紙の文句も頗る悲酸であったから、情誼上何か認めてやりたいとは思ったものの、こちらも遊んで居る身分ではなし、そう面白い種をあさってあるく様な閑日月もなかったから、つい其儘にして居るうちに子規は死んで仕舞った。