有名になった事が左程の自慢にはならぬが、墨汁一滴のうちで暗に余を激励した故人に対しては、此作を地下に寄するのが或は恰好かも知れぬ。
季子は剣を墓にかけて、故人の意に酬いたと云うから、余も亦「猫」を碣頭に献じて、往日の気の毒を五年後の今日に晴そうと思う。
子規は死ぬ時に糸瓜の句を咏んで死んだ男である。
有名になった事が左程の自慢にはならぬが、墨汁一滴のうちで暗に余を激励した故人に対しては、此作を地下に寄するのが或は恰好かも知れぬ。
季子は剣を墓にかけて、故人の意に酬いたと云うから、余も亦「猫」を碣頭に献じて、往日の気の毒を五年後の今日に晴そうと思う。
子規は死ぬ時に糸瓜の句を咏んで死んだ男である。