昔し僕等が小石川の御寺で自炊をしている時分に鈴木の藤さんと云う人がいてね、この藤さんが大変味淋がすきで、ビールの徳利へ味淋を買って来ては一人で楽しみに飲んでいたのさ。
ある日藤さんが散歩に出たあとで、よせばいいのに苦沙弥君がちょっと盗んで飲んだところが……」
「おれが鈴木の味淋などをのむものか、飲んだのは君だぜ」と主人は突然大きな声を出した。
昔し僕等が小石川の御寺で自炊をしている時分に鈴木の藤さんと云う人がいてね、この藤さんが大変味淋がすきで、ビールの徳利へ味淋を買って来ては一人で楽しみに飲んでいたのさ。
ある日藤さんが散歩に出たあとで、よせばいいのに苦沙弥君がちょっと盗んで飲んだところが……」
「おれが鈴木の味淋などをのむものか、飲んだのは君だぜ」と主人は突然大きな声を出した。