四十年来の経験を刻んでなお余りあると見えた余の頭脳は、ただこの截然たる一苦痛を秒ごとに深く印し来るばかりを能事とするように思われた。
したがって余の意識の内容はただ一色の悶に塗抹されて、臍上方三寸の辺を日夜にうねうね行きつ戻りつするのみであった。
余は明け暮れ自分の身体の中で、この部分だけを早く切り取って犬に投げてやりたい気がした。
四十年来の経験を刻んでなお余りあると見えた余の頭脳は、ただこの截然たる一苦痛を秒ごとに深く印し来るばかりを能事とするように思われた。
したがって余の意識の内容はただ一色の悶に塗抹されて、臍上方三寸の辺を日夜にうねうね行きつ戻りつするのみであった。
余は明け暮れ自分の身体の中で、この部分だけを早く切り取って犬に投げてやりたい気がした。