固より云う事はあるのだから、何か云おうとするのだが、その云おうとする言葉が咽喉を通るとき千条に擦り切れでもするごとくに、口へ出て来る時分には全く光沢を失ってほとんど用をなさなかった。
余は英語に通ずる駅員の助を藉りて、ようやくのことこの大男を無事に京都へ送り届けた事とは思うが、その時の不愉快はいまだに忘れない。
修善寺に着いてからも咽喉はいっこう好くならなかった。
固より云う事はあるのだから、何か云おうとするのだが、その云おうとする言葉が咽喉を通るとき千条に擦り切れでもするごとくに、口へ出て来る時分には全く光沢を失ってほとんど用をなさなかった。
余は英語に通ずる駅員の助を藉りて、ようやくのことこの大男を無事に京都へ送り届けた事とは思うが、その時の不愉快はいまだに忘れない。
修善寺に着いてからも咽喉はいっこう好くならなかった。