十一
妻の手紙は全部の引用を許さぬほど長いものであった。
冒頭に東洋城から余の病気の報知を受けた由と、それがため少からず心を悩ましている旨を記して、看病に行きたいにも汽車が不通で仕方がないから、せめて電話だけでもと思って、その日の中には通じかねるところを、無理な至急報にして貰って、夜半に山田の奥さんの所からかけたという説明が書いてあった。
十一
妻の手紙は全部の引用を許さぬほど長いものであった。
冒頭に東洋城から余の病気の報知を受けた由と、それがため少からず心を悩ましている旨を記して、看病に行きたいにも汽車が不通で仕方がないから、せめて電話だけでもと思って、その日の中には通じかねるところを、無理な至急報にして貰って、夜半に山田の奥さんの所からかけたという説明が書いてあった。