そうして死は明け渡る夜と共に立ち退いたのだろうぐらいの度胸でも据ったものと見えて、何らの掛念もない気分を、障子から射し込む朝日の光に、心地よく曝していた。
実は無知な余を詐わり終せた死は、いつの間にか余の血管に潜り込んで、乏しい血を追い廻しつつ流れていたのだそうである。
「容体を聞くと、危険なれどごく安静にしていれば持ち直すかも知れぬという」とは、妻のこの日の朝の部に書き込んだ日記の一句である。
そうして死は明け渡る夜と共に立ち退いたのだろうぐらいの度胸でも据ったものと見えて、何らの掛念もない気分を、障子から射し込む朝日の光に、心地よく曝していた。
実は無知な余を詐わり終せた死は、いつの間にか余の血管に潜り込んで、乏しい血を追い廻しつつ流れていたのだそうである。
「容体を聞くと、危険なれどごく安静にしていれば持ち直すかも知れぬという」とは、妻のこの日の朝の部に書き込んだ日記の一句である。