夏目漱石 『思い出す事など』 一度静まった夜の空気は容易に動こうとはしなかった。 やや久らくして、今のは錯覚ではなかろうかと思い直す頃に、また一つどんと鳴った。 そうして愛想のない音は、水に落ちた石のように、急に夜の中に消えたぎり、しんとした表に何の活動も伝えなかった。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア