夏目漱石 『思い出す事など』 けれどもその長い間に延びた髪と髯は、死んだ後までも漆のように黒くかつ濃かった。 髪はそれほどでもないが、剃る事のできないで不本意らしく爺々汚そうに生えた髯に至っては、見るから憐れであった。 余は一人の兄の太く逞しい髯の色をいまだに記憶している。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア