ある北国の患者は入院以後病勢がしだいに募るので、附添の息子が心配して、大晦日の夜になって、無理に郷里に連れて帰ったら、汽車がまだ先へ着かないうちに途中で死んでしまった。
一間置いて隣りの人は自分で死期を自覚して、諦らめてしまえば死ぬと云う事は何でもないものだと云って、気の毒なほどおとなしい往生を遂げた。
向うの外れにいた潰瘍患者の高い咳嗽が日ごとに薄らいで行くので、大方落ちついたのだろうと思って町井さんに尋ねて見ると、衰弱の結果いつの間にか死んでいた。
ある北国の患者は入院以後病勢がしだいに募るので、附添の息子が心配して、大晦日の夜になって、無理に郷里に連れて帰ったら、汽車がまだ先へ着かないうちに途中で死んでしまった。
一間置いて隣りの人は自分で死期を自覚して、諦らめてしまえば死ぬと云う事は何でもないものだと云って、気の毒なほどおとなしい往生を遂げた。
向うの外れにいた潰瘍患者の高い咳嗽が日ごとに薄らいで行くので、大方落ちついたのだろうと思って町井さんに尋ねて見ると、衰弱の結果いつの間にか死んでいた。