砲声一発浦賀の夢を破ってという冒頭であったから、三四郎はおもしろがって聞いていると、しまいにはドイツの哲学者の名がたくさん出てきてはなはだ解しにくくなった。
机の上を見ると、落第という字がみごとに彫ってある。
よほど暇に任せて仕上げたものとみえて、堅い樫の板をきれいに切り込んだてぎわは素人とは思われない。
砲声一発浦賀の夢を破ってという冒頭であったから、三四郎はおもしろがって聞いていると、しまいにはドイツの哲学者の名がたくさん出てきてはなはだ解しにくくなった。
机の上を見ると、落第という字がみごとに彫ってある。
よほど暇に任せて仕上げたものとみえて、堅い樫の板をきれいに切り込んだてぎわは素人とは思われない。